院内SEって何?どんな仕事?

医療の人々システムエンジニア

今回はこのブログのタイトルにも入っている院内SEについて説明したいと思います。ブログタイトルとURLを見たら大体どんな職種かは察しが付くと思いますが、IT系・医療系の業界に興味がある方はどうぞごゆるりとご覧ください。

院内SEとは?

私は現在、病院内のシステムエンジニア(SE)として働いています。略して院内SEです。

以前はシステム開発会社の一般的なシステムエンジニアでしたが、その時の業務内容はソフトウェアの要件を聞き、設計に落とし込んで、プログラムとして実装するというようなものでした。

院内SEとはこのような業務の割合は少なくて、病院内で使うパソコンやプリンター、ネットワーク機器やサーバーなどのセットアップや運用・保守などの業務があり、社内SEと似ています。しかし、社内SEと大きな違いとして医療情報システム(電子カルテなど)の管理がメインの業務内容となります。

院内SEになるには?

このような院内SEになるのに特別な資格は必要ありません。もちろん基本情報技術者や医療情報技師などの資格があれば採用の際に有利になると思いますし、実際の業務でも即戦力になる可能性は高いです。(私は現在、情報処理安全確保支援士に挑戦しています。)

私はハローワークで検索して応募しましたが、求人サイトなどにも募集が載っていたので、一般的な就職活動で就くことができます。しかし私が働いている病院では職員が500人以上いますが、その中でSE職に就いている人は3人ほどなので募集人数が少ないのかもしれません。(私も辞めた職員の欠員補充というような形で募集していたところに応募したので、絶対数は少ないと感じました。)

業務内容

院内SEの業務内容は多岐に渡りますが、分類分けをしてまとめてみました。

業務区分説明
会議どこの会社でもある会議。病院ならではの会議が多い。
開発VB6とC#での開発がメイン。新規開発はC#だが昔作られたVB6の修正対応のほうが件数としては多い。私はまだC#での新規開発案件には携わっていません。(個人的に作ったりしています。)
システム設定Windowsの設定や病院内で使われている医療情報システム以外のシステムの設定。電子メールや不正アクセスブロックソフトなど。
電子カルテ系調査・対応院内SEのメインとなる業務。パスワード忘れなど初歩的な問い合わせもあるが、文章入力を簡略化するテンプレート作成や、マスタ作成、各種トラブル・要望対応など件数が多い。
ハード系調査・対応PC・プリンタなどのトラブルが多いが、ネットワーク不調などの機器調査・修理・交換なども行う。
広報活動病院内での情報周知や、病院外に向けての情報発信活動。

メリット・デメリット

院内SEとして働いてまだ1年未満ですが、現時点で感じられるメリット・デメリットについてまとめてみました。

メリット

  • 残業が少ない
    SEの人数は少ないですが、医療情報システムはほとんどシステム化されており、運用・管理がうまくいっていれば急な呼び出しも少ないです。また、システムに対しての要望や問い合わせに対しても、急ぎで対応してほしいという場面があまりなく「調査します」や「検討します」などで返事を待ってもらえること多く、よっぽどのことがない限り残業することはないです。(現在のところ月の残業時間は最高でも10時間ほどです。)
  • 納期に追われない
    上記にように急ぎの対応というのが少ないのと、一般のIT企業で決められている納期がないので、納期や締め切りに追われるということがほとんどないです。しかし、問い合わせなどの突発的な対応が求められますので、仕事をいくつも抱え込んでしまう可能性があるのでそこは注意が必要です。
  • 自分のやり方で進められる
    これは病院によって違うのかもしれませんが、私のところでは比較的自由に仕事を進められる環境だと思います。ある程度決まった業務手順もありますが、問い合わせなどに関してはその場その場で個人で対応してますし、改善できそうな方法を提案して、業務の効率化などを図ることもできます。

デメリット

  • 最新の技術を使えない
    IT業界ではGitHubやDockerなど最新の技術が次々に出てきて移り変わっていきますが、病院内では基本的にそのようなツールは使えないです。電子カルテのクラウド化などもまだ難しいのでインターネットに接続しないローカルネットで業務を進めたり、pythonやrubyなどweb業界などで流行りのスクリプト言語での開発もあまりなく、ちょっと前まではVB6メインでの開発をしていて、今も保守・改善でVB6のプログラムを触っています。
  • 給料が上がりにくい
    病院内の稼ぎ頭はやっぱり、医師や看護師など患者さんと直接触れ合う職員なので、間接部門であるSEは給料に反映されにくいです。(まだ1年未満なので昇給などないですが、厳しいかと思います。)
  • 職員のITリテラシーが低い
    一般の職員は普段からPCに触れあっているわけではないので、PCや周辺機器には詳しくありません。なので充電ケーブルの挿す場所を間違えたり、キーボード操作を誤ったり、IT従事者からすればあり得ないようなミスの対応をしなければなりません。なるべくそのようなことが起こらないように、周知したり、システム化しますが全てがなくなることはないです。

上記のようなデメリットと感じる点はありますが、私はメリットの点を重視していて、残業が少なく自分のやり方で進められるので、業務改善できる点はどんどん効率化していき、定時後の自分の時間で技術を磨いたり、副業して収入を増やせないかを目論んでいます。(副業は就業規則では公に認められていませんが、昨今の副業解禁の流れが広まってくれると期待しています。)

院内SEのまとめ

病院内でIT機器や情報システムの何でも屋として働いている院内SEですが、全職員の数%ほどしか採用されず間口は狭いのかもしれません。病院も商売なので間接部門の職員を増やすことは厳しいようです。それでも、病院の中もIT化が進んでいますので今後SE職の需要は期待できると思います。

そんな院内SEですが、資格がなくても入れるし入職した後に勉強すれば十分業務をこなしていけると思います。また問い合わせなども多いので解決できた場合は感謝の言葉などを直接頂けるのでやりがいは多い仕事だと思います。

ITに関しての専門的な知識よりも全般的な知識(スペシャリストよりジェネラリスト)、そして人とのコミュニケーション能力が求められる職種だと思います。私の先輩もよく話しかけてくださいますし、親切にして頂いています。

ここまでの内容で興味を持った方は是非、院内SEを就職先の一つとしてご検討いただければと思います。