様々な角度から回復をサポート!リハビリ職
私の病院ではリハビリテーションに力を入れていて、回復期のリハビリや通所リハビリテーションなど行っています。 病院に入ったころにPT、ST、OTさんと呼ばれている人がいて何のことか全然わかりませんでした。 前にいたIT系の会社では、PTはProgram Test:単体テスト、STはSystem Test:結合テスト、OTはOperation Test:運用テストと呼ばれていて似ているので、それぞれの仕事について興味を持ち調べてみました。
リハビリとは
リハビリテーションとは能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段。 噛み砕いていうと、病気や事故で低下してしまった能力(歩行、言語、食事など)を回復するための方法のことです。 リハビリの役割は、事故や病気が発生・発症した急性期でのリハ(2~3週間程度)、急性期を乗り越え体の機能の回復を図る回復期、そして一般の生活に戻る生活期にリハビリテーションが関わってきます。 また透析など必要とされる維持期にもリハビリテーションを実施しています。その他にも外出訓練などを行い、なじみのある環境に戻れることを目標としています。
リハビリ職について
病院のリハビリ職は主にPT、ST、OTと3職種の職員がいて、それぞれが専門の分野でリハビリを行い総合的な回復を目指します。
それぞれの職種になるには、高校卒業後になりたい職種のカリキュラムがある大学や短大、専門学校に通い各国家試験に合格する必要があります。
理学療法士(PT)
理学療法士(PT:Physical Therapy)は、主に下肢、そして歩行への関わりへのリハビリを行っています。病気や外傷、寝たきりなどによって身体機能が低下した方に対して、立つ・座る・歩くなどの基本的動作をはじめ、身体機能の維持、改善を目的とした運動療法や、温熱、電気、水、光線などを用いた物理療法で治療を行っています。また、日常生活を送りやすくするための在宅改修、環境調整、在宅ケアなども行っています。 うちの病院ではリハビリスタッフの中で最も数が多く過半数を占めています。
作業療法士(OT)
作業療法士(OT:Occupational Therapy)は、主に上肢・精神面への関わりを行っており、
- 基本能力(運動機能・精神機能)
- 応用能力(食事やトイレなどの生活動作)
- 社会生活適合能力(地域活動への参加)
の3つの能力を維持・改善することを目的に訓練を実施しています。具体的には身体運動活動、日常生活活動、手工芸などの活動、仕事・学習活動などその人らしい生活の獲得を目指しています。
言語聴覚士(ST)
言語聴覚士(ST:Speech-Language-Hearing Therapy)は、主に言語・食事への関わりを行っており、失語症や構音障害、摂食・嚥下障害などの患者さんを対象にリハビリを行います。
話し言葉の理解が難しかったり、正しく発音ができない、食事中にむせる・うまく呑み込めにくいなどの症状に対して治療を行っています。
その他
リハビリテーション科のスタッフではありませんが、リハビリスタッフと協力して患者さんのサポートをする職業も多くあります。
臨床心理士
臨床心理士は患者さんの心の問題を解決していく心理学の専門家です。病気や事故後の心の不安や悩みなどの心理カウンセリングや高次脳機能障害についての評価・訓練を行います。病院での臨床心理士はリハビリだけではなく、普段は心理室で患者さんや職員の心理カウンセラーとして働いています。 ちなみに臨床心理士の臨床とは、「現場」や「実践的な」という意味合いで、医療分野においては患者さんに対して直接的な診察や診療をおこなうことを指しています。
柔道整復師
柔道整復師は骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などのケガに対し、手術をしない「非観血的療法」によって、整復・固定などの施術を行う職種となっています。理学療法士と似ていますが、主に4つの違いがあります。
①けがを治す専門家か、リハビリテーションの専門家か どちらも国家資格ですが、柔道整復師は非観血的療法(手術のように傷をつけない治療法)でけがを治します。理学療法士は、運動療法(リハビリテーション)や物理療法(電気刺激、温熱)などを用いて、基本的動作能力の回復を目指す、リハビリテーションの専門家です。
②医療行為ができるか、できないか 柔道整復師は診察・診断、施術を行うことができますが、理学療法士は、医師の指示の下でないと施術を行うことができません。
③開業権の有無 医療系国家資格で開業権が認められている資格は多くありません。(医師、薬剤師、助産師など) 柔道整復師は接骨院や整体院を開業することができますが、理学療法士は、開業権がありません。そのため独立開業が多い資格となっているそうです。ちなみに接骨院は骨折やねん挫などのけがを治す・回復のための施術を行い、整体院では体のゆがみを整えることが目的となっています。
④活躍の場 柔道整復師の活躍の場として接骨院、整骨院、整形外科など様々な場所が挙げられます。自身の業務範囲内で診察・診断、施術を行うことができるので、スポーツの場でも活躍できます。 一方理学療法士は、医師の指示のもとリハビリを行うので、整形外科や脳神経外科、介護施設などが挙げられます。
あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師はあん摩、マッサージ、指圧の技術を用いて患者さんの不調を和らげます。医療系の国家資格となっており、「つぼ」という概念で治療するのが理学療法士との大きな違いです。
鍼灸師
鍼灸師(しんきゅうし)は針やお灸を使って治療・回復する職種で、正確には「はり師」と「きゅう師」という2つの資格に分かれている国家資格です。リハビリや柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師とはまた違って方法で患者さんの回復のサポートを行います。
医療ソーシャルワーカー(MSW)
医療ソーシャルワーカー(MSW:メディカル・ソーシャルワーカー)は、患者や家族の問題解決を関係機関や医療機関と調整・連携を行う職種です。医師や看護師、リハビリと連携しながら退院に向けてのカンファレンスを開催したり、福祉の支援や保険などの制度を活用し、不安感がなくなるように支援します。
視能訓練士
視能訓練士は斜視や弱視など視覚機能に障害のある人たちの機能を回復させるための検査と矯正訓練を行う国家資格を持つ専門技術者です。視力低下した高齢者などに対してのリハビリテーションを行っています。
SEとの関わり
リハビリテーション科はなかなかの大所帯なので、PCの台数はプリンタなどの機器の数も多くなっています。そのため故障や不具合で呼ばれることも多く、何度も足を運んでいます。人数が多くトラブルも多いためか科長さんもITの機器を覚えようとしてくれて、この間はPCをLANにつなぐHUBという機器が故障した際に、同じ機器を購入して入れ替えてくれるなどSEの負担を減らすように協力してくれています。
リハビリテーションまとめ
体が弱ってしまった患者さんのサポート・回復をするために時には体力を使ったり、繊細な観点で見守ったりなど気を使う仕事だと思います。また体力勝負の職種なので、体が資本です。リハビリ科の職員を見ていると皆さん体格がよくて日々トレーニングなどに励んでいるという話をよく聞きます。
体を動かす仕事が好きで、患者さんに喜んでもらえる職種なので体力に自信のある方はいかがでしょうか。
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