IPアドレスが複数ある!?原因と解決
日々パソコンのトラブル対応していると、時々不思議な現象に遭遇することがあります。さっきまでトラブルが続いていたのに現場に駆け付けるとなぜか治ってしまう場合や、何度やってもダメだったのにシステム課がやるとできてしまうこともありました。
しかし、今回のトラブルは今まで遭遇したことがなく、そして不思議な現象でした。今回はそのようなトラブルを解決したのでご紹介します。
事の発端
とある部署からネットがつながらない!と電話を受け現場に直行しました。話を聞くとノートPCで無線接続していて昨日まで普通に使えていたのに、今日になって急に使えなくなったとのことです。調べてみると確かにネットが見れず、院内の共有フォルダなどが見れませんでした。
うちの院内ネットワークはPC1台1台にIPアドレスを手動で割り振っていて、基本的にセットアップ時にほかのPCと重複しないように設定しているので、バッティングは起こらないはずです。しかしコマンドプロンプトでipconfigを確認したところ、(重複)の文字が!? そうです、このノートPCはほかのPCとIPアドレスがかぶっているため接続できなかったのです。
ここまでだと、最近設定したPCが確認せずに出してしまったのかなぐらいに思われるのかもしれませんが、重複したIPアドレスを使用しているPCを調べてみると、自分が最近設定したPCでしっかり確認してキッティングしていました。実際に設置した場所に向かい、ipconfigを確認してみると…
なんと、IPv4のアドレスが2つ設定されていました。しかし該当の無線アダプターのプロパティを確認すると、一つしか設定されていなくなぜこのような設定になったかは不明です。
解決方法
とりあえずその日は定時が近づいていたので、つながらなかった方のPCに別のIPを振りなおして、明日再起動すれば治るかもしれないと淡い期待をして帰りました。
翌日確認してみると、期待に反して状況は変わらずでした。初めての事例だったので、全く対処方が分からずネットで調べてみました。同じような現象が発生している例はあったのですが、解決方法が私の場合とは違く行き詰っておりました。そこで!困ったときの情シスSlackです。Slackの状況を説明して投稿すると、すぐにレスがついていくつかの解決策を教えてもらえました。その中でのコメントコマンドプロンプトで`netsh interface ip reset
というコマンドをIPアドレスが2つあるPCでやってみると、再起動を促されて再起動を行うと・・・2つ設定されていたIPがなくなり再設定することでIPアドレスが通常通り1つに設定することができました!私の検索方法が悪かったのかもしれませんが、調べて分からないことなら全国の集合知である情シスSlackに頼ってみてもいいのかもしれません。
原因
ネットで調べたところによるとこのような事象は、意図的にIPアドレスを2つ設定した場合になるとのことでした。
ネットワークアダプタの設定から上記のTCP/IPの設定を開くとIPアドレスを設定する画面で複数のIPアドレスを設定できるのだそうです。複数のIPアドレスを設定することができると知らなかったのですが、今回の事例では上記の画面を見ても通常通り1つしか設定されておらず別の原因でした。
先ほどの情シスSlackでもたまーになるとのコメントがあり原因は不明なままです。
活用方法
なぜこのような設定が可能なのか疑問に思い、どのようなメリットがあるのか調べてみました。
サーバーだと複数のIPアドレスを設定することで、ポート番号を指定しなくてもIP指定だけでサービスを複数立ち上げられるなどがありました。例えばwebサーバは通常80番ポートを使いますが、1つのサーバーでwebサーバを複数立ち上げた場合、
- http://192.168.1.1:80
- http://192.168.1.1:81
- http://192.168.1.1:82
と、ポート番号を指定してアクセスする必要がありますが、IPアドレスを複数設定すると
- http://192.168.1.1
- http://192.168.1.10
- http://192.168.1.20
と、IPアドレスだけでアクセスするサーバーを切り替えることができます。
そして今回のようなクライアントPCの場合ですと、あまりメリットのある使い方が探せませんでした。その代わり情シスSlackのコメントでもあったのですが、「代替の構成」という設定でDHCPと固定IPを設定することで、自宅では自動取得、職場では割り振られたIPという風に使い分けることができます。
最後に
今回のような原因がわからず勝手に設定が入ってくるようなトラブル事例も日々の業務では起こりえます。稀に起こるのであれば都度対応すればよいのですが、その頻度が高ければ根本的な対策を考えないといけません。このような事例が頻発するのであれば対策案を考えていきたいと思います。
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