院内システムのデータ更新方法
病院内のシステムは多種多様にありますが、ずっとそのまま使えるものではありません。定期的にデータ更新をしないと日々変わる法律などに対応できなかったり、バグが残ってしまったり、新しい機能が使えなくなってしまいます。
日常的に使っているスマホやPCなどは自動的に更新してくれる場合が多いので、意識せずに更新されていることがありますが、病院内のシステムは直接外部と繋がっているものは少ないので、更新作業は自ら主体的に動いて対応する必要があります。
今回はそんな院内システムの更新方法などについてまとめてみました。
院内システムのデータ更新とは
代表的なシステムである電子カルテや、診療報酬の計算を行うソフト、検査項目の変更などについて更新が必要なシステムがあります。
なるべく扱っている部署で更新してもらえるよう仕組みを整えたりマニュアル化しているので、途中で配属された院内SEにとっては、知らないところで更新されていたりして、問題が発生して初めて知る更新作業などもあります。
データ更新の必要性
多いところでは月毎などで更新作業が必要になり、更新作業がされないと古いデータのままで計算を行ったりして診療報酬に影響が出たり、病院運営にも大きく関わってきます。
電子カルテシステムにおいても薬剤などのデータが更新されたり、バグなどが解消されたりして、正確さや使いやすさなどにおいて重要な要素になってきます。
また時には、それぞれのシステムを動かしているPCについても更新が必要になることがあり、大きいところでは平成から令和に変わる際にも年号に対応させるために、いろいろなPCで更新させるために試行錯誤したこともあります。
データ更新の種類
一般的なWindowsなどでは自動的に更新のために更新データをダウンロードしたり、スマホなどでもアプリの自動更新やシステムアップデートの通知などがきたりします。 しかし院内システムでは外部との通信に制限がかかっているので、更新作業にもひと工夫が必要になってきます。
外部メディア
CDやUSBメモリなど更新データが入ったメディアが配送されてきて、それをPCに読み込ませて更新作業を行う方法です。
各部署にメディアが届いて、部署のPCで各々更新を行なってもらいます。普段は院内SEが関わらずに更新できているので、私もそんな作業を行なっていることを知らなかったのですが、何かトラブルがあって呼び出されると初めてそんな更新作業をしていると知ることがありました。
データ転送
保守用の回線など使ってデータを転送してもらいそこから更新を行う方法です。電子カルテなどはこの方法を使っていて、定期的に更新のお知らせがベンダーから来るので更新を行います。
オンライン
一部のPCやタブレットなどはインターネットに直接繋がっているので、自動的に更新データがダウンロードされて更新されています。これは一般的なスマホなどと同じ仕組みですね。
ちなみに院内のWindowsはWSUSという仕組みでアップデータを貯めておいて、必要なタイミングで配信するという仕組みを構築しています。
データ更新の際の注意点
電子カルテの更新では更新データの当て方に注意が必要で、アップデートに必要な更新データが入っているかを調べる必要がありました。特定のアップデータが適用されていないと更新できないので、過去の資料やアップデートの適用履歴などを調査して、アップデートできる環境であることを確かめる必要があります。
更新の際には、更新されるシステムを触ると影響するので各部署との調整も必要になります。
また、無事にアップデートできたとしても、アップデートしたプログラムにバグがあったりして元に戻す(ロールバック)する場面も出てきます。その際もやはり各部署との調整が必要なので大変でした。
まとめ
病院内の閉鎖的なネットワーク環境では、一般的なシステムのアップデートでの運用がうまくいかず少し手間がかかってしまいます。 ただ、一部のシステムではユーザーにアップデートを意識させないシステムなども出てきているので、こうしたシステムが増えていくといいなと思います。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません