入れ替えが激しい病棟!ICU・HCUについて
テレビなどで医療系の職場・職種など取り上げられることが多いですが、その中でも外科系や救急外来などを扱ったシーンがよく見られます。
私の勤めている病院は救急医療に特化している訳ではないので、急性期の患者さんが来院されることは多くないと考えていますが、 同じ法人内にICU・HCUを持っている病院がありますので、今回は集中治療室について調べてみました。
集中治療室とは
集中治療室とは英語でIntensive Care Unit、文字通り集中的に治療が行える病院内の施設です。英語の頭文字をとってICUと呼ばれており、内科や外科など隔たりなくすべての科が対象となります。 病床数は一般的な病棟と比べ少なく、10床程度です。病床数は少なく、生命の危機に瀕した重症患者を早期回復することを目的に治療を行い、急性期を乗り越えて一般病棟に転棟するなどして入れ替わりが激しい病棟になっています。 救急などで搬送された生命に危険が及ぶ重篤な患者さんとなり内科・外科隔たりなく診ています。看護師も一般病棟よりも多く配置しており、高度な医療機器を用いた治療と24時間体制での看護が行われています。
病院運営的な面でいうと、ICUに入院している間に加算できる日数は最大14日となっており、それ以上になると病院負担になります。そのため回復した患者さんは症状に合わせて後述するHCUや一般病棟、もしくは退院となることが多いようです。
HCU
HCUはHigh Care Unitの頭文字をとったもので、日本語では高度治療室と呼ばれています。内科・外科など入院できる疾患を限定しない点は同じですが、HCUではICUよりも重症度は低いけども、一般病棟の看護師配置では看護するのが難しい状態の患者さんが対象となってきます。 病棟の特殊性として、主に術後管理の患者さんが多く、平均在院日数は1~3日程度となっています。
外科では術後(OPE後)の患者さんが多く、内科系では敗血症や循環動態破綻など術後のリスクが高い患者さんなどが入院されるケースが多いです。コロナ禍では人工呼吸器などの高度医療機器を使用する機会も多いです。すべての科が対象となるため幅広い知識も必要となります。
最大在院日数は21日となっており、ICUから転院だとICUでの入院日数も含まれます。
その他
集中治療室は対象とする患者さんの病態によってさらに専門的に細分化されている病院もあり、以下のようなものがあります。
- 心臓血管疾患集中治療室 – CCU (Coronary Care Unit)
- 脳卒中集中治療室 – SCU (Stroke Care Unit)
- 外科系集中治療室 – SICU(Surgical Intensive Care Unit)
- 脳神経外科集中治療室 – NCU(Neurosurgical Care Unit)
- 呼吸器疾患集中治療室 – RCU(Respiratory Care Unit)
- 腎疾患集中治療室 – KICU (Kidney Intensive Care Unit)
- 精神病集中治療室 – PICU (Psychiatry Intensive Care Unit)
- 新生児集中治療室 – NICU (Neonatal Intensive Care Unit)
- 小児集中治療室 – PICU(Pediatric Intensive Care Unit)
- 移行期(回復期)治療室 – GCU(Growing Care Unit)
- 母体胎児集中治療室 – MFICU(Maternal Fetal Intensive Care Unit)
それぞれの集中治療室には診療報酬を取れる場合があり、算定要件や施設基準などが決まっています。
システム的な対応
他の病棟にはない特別なシステムを入れており、より細かい周期で体温や脈拍などのバイタル情報を見ることができるシステムや、ベッド1台ごとに患者さんの情報を共有できる大型のモニターなどを導入しております。 普段の電子カルテシステムとは別の業者を使っていることもあるので、システム間の連携やトラブル時に問題切り分けなども行える必要があります。
まとめ
急性期で重篤な患者さんの治療にあたる集中治療室ですが、私の勤めている病院にはないので実態はまだ良く分かりませんが、今後接する機会もあると思うので、いざという時対応できるように事前にシステムや病室の中を調べてみようと思います。
また、集中治療室だけでもさまざまな診療報酬の算定要件や施設基準が定められているので、2022年度の診療報酬改定など色々変わってくるかと思います。このような診療報酬に対して病院としての運営方針などもどのように決められて行っているのかも調べていきたいと思いました。
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